店舗は何を情報発信すればいい?小さなお店の発信ネタ4つの型
「お店のニュースやSNSを更新したほうがいいのは分かっている。でも、何を書けばいいのか分からない」——小さなお店の情報発信で、いちばん多い悩みがこれです。
文章が書けないのではありません。多くの場合、詰まるのは「今日は何を書くか」を決めるところです。ネタが思いつかず、手が止まる。数回がんばって、続かなくなる。よくある流れです。
この記事では、小さなお店が発信する内容を、続けやすい4つの型に整理しました。難しいテクニックではなく、「自分の店なら何が書けるか」がその場で思い浮かぶように、実際に発信を続けているお店の例とあわせて紹介します。飲食・教室・相談業・製造業と、業種はさまざまです。業種が違っても、発信の型は共通して使えます。
そもそも、なぜ発信する内容に迷うのか
「何を書けばいいか分からない」の正体は、たいてい2つです。ひとつは、自分の店の当たり前が、お客さんにとっては知りたい情報だと気づいていないこと。もうひとつは、「宣伝になることを書かなければ」と気負ってしまうことです。千葉県船橋市の産婦人科「山口病院」も、書き手が一人だと文面が似通い、ブログの題材が思いつかないところで止まっていました。題材の候補が並んで初めて「こういう内容をブログにしていいんだ」と気づいたといいます。
発信は、宣伝である必要はありません。お客さんが知りたいこと、来店を迷っている人の不安を解くこと——それを普通の言葉で書けば、それが発信になります。以下の4つの型は、どれも「お客さん目線で、あなたの店が持っている情報」を出すための切り口です。
型1|お客さんの悩みに答える
いちばん続けやすく、いちばん効くのがこれです。あなたの店に来る人が、日ごろ何に困っているか。その悩みに、専門家として答える。
東京都江戸川区のベビーマッサージ教室「Ailala」は、まさにこの型で発信を続けています。書いているのは、宣伝ではなく、ママたちの悩みへの具体的な答えです。「ねんねはこういう流れのほうが寝やすい」といったアドバイスや、赤ちゃんとのふれあいがもたらす効果を、文章で詳しく伝えています。
この教室は、開業当初はInstagramだけで発信していて反応が得られず、集客に悩んでいました。そこから地域情報サイトのニュースで発信を始め、約1年、ほぼ毎日書き続けました。結果として「江戸川区 ベビーマッサージ」の検索で上位に表示されるようになり、毎月新しい生徒さんが訪れるようになったといいます。値下げをせず、正規の料金で選んでもらえているのは、価値を毎日伝え続けたからだと店主は話しています。
悩みに答える発信は、読んだ人が「この人にお願いしたい」と思う土台になります。何を書くか迷ったら、まず「うちのお客さんがよく聞いてくる質問」から始めるのが近道です。
型2|お店のこだわり・中身を見せる
商品やサービスの「中身」は、お客さんにとって知りたい情報の宝庫です。何にこだわっているか、どう作っているか、他とどう違うか。作り手には当たり前でも、お客さんは知りません。
千葉県市原市のラーメン店「夕焼けラーメン 神田東京 市原五井店」は、看板商品である激辛ラーメンのこだわりなどを発信しています。店主が印象的なことを言っています。発信した日としない日で、お店の見られ方がはっきり変わる。「ニュースを出している日と出していない日だと、アクセス数が半分くらい違う」というのです。
この店の店主は、以前は「情報発信に力を入れる暇もなかった」と振り返ります。それが続けられるようになった理由は、1本の発信にかかる時間が「3分もかからない」まで下がったこと、そして「やっていて楽しい」と感じられたことでした。こだわりを発信したことがお店を知るきっかけになり、そこからYouTuberの来店、さらにその動画を見た人の来店、という連鎖も生まれています。
こだわりを見せる発信のコツは、「自慢」ではなく「共有」の姿勢です。「うちはすごい」ではなく「うちはこういう理由でこうしています」と書くと、お客さんは自分ごととして読めます。
型3|どんな人がやっているのか、人柄を伝える
体に触れるサービス、相談ごと、子どもを預ける教室——「どんな人が対応してくれるのか」が分からないと、お客さんは連絡をためらいます。この不安を解くのが、人柄や考え方を伝える発信です。
鹿児島県霧島市の「親子カウンセリング 結のCharm」は、不登校や発達障害に悩む親に向けて、コラムを発信しています。「『ちゃんとした母親でいなきゃ』と自分を追い詰めていませんか?」「子育ての悩みは『ひどくなる前』が相談のベストタイミング」——こうしたテーマで、代表者の考え方や、悩みへの向き合い方を伝えています。
カウンセリングのように、事前に人柄が分からないと相談しづらい分野では、この発信が特に効きます。この教室は本業と子育ての合間の運営で、発信にかけられる時間が限られていましたが、1本のコラムをニュース・note・Instagramに展開する形で負担を抑え、利用開始月から2か月続けて、まいぷれ内のニュース閲覧数が月1,000回を超えています。
「何を書くか」に迷ったら、「なぜこの仕事をしているか」「どんな思いでお客さんに接しているか」を書いてみる。人柄は、他店がまねできない、あなただけの発信ネタです。
型4|見に来ないと分からない情報を、外に出す
最後は、少し盲点になりやすい型です。お店や会社が持っている情報のうち、「わざわざ調べないと分からない」ものを、探している人のほうへ出す。受賞歴、認定、実績、社内の雰囲気、場所の分かりにくさの解消——こうした情報です。
愛媛県新居浜市の産業用容器メーカーは、県や市から複数の優良認定を受けているにもかかわらず、それを知るには自社サイトを見に行くしかない状態でした。Googleビジネスプロフィールも地図が出るだけで整備されていませんでした。そこで、Googleビジネスプロフィールを整え、まいぷれ・Googleビジネスプロフィール・Instagramの3方向へ発信する体制をつくりました。工業地帯には、社名を聞いただけでは何の会社か分からない企業も多い。だからこそ「見に来ないと伝わらない情報」を外に出す意味があります。
この型は製造業やB2Bだけの話ではありません。飲食店なら「駐車場があること」、住宅街の店なら「道順」、どんな店でも「見に来ないと分からないが、来店の決め手になる情報」を持っています。それを発信に変えるだけで、迷っていた人の背中を押せます。
4つの型を、どう続けるか
なお、この記事で紹介した各店の閲覧数・検索順位・来客の変化は、いずれも個店の実績や利用者の実感(取材時点)であり、同じ結果を保証するものではありません。掲載順位や閲覧数は変動します。
ここまでの4つの型を、あらためて並べます。お客さんの悩みに答える。こだわり・中身を見せる。人柄を伝える。見えない情報を外に出す。この4つを順番に回すだけで、発信ネタは当分尽きません。「今日は型1、次は型2」と考えれば、「何を書くか」で止まる時間が減ります。
ただ、ネタが決まっても、続けるにはもうひとつ条件があります。1本にかける時間を短くすることです。市原市のラーメン店が「3分もかからない」から続けられたように、江戸川区の教室が「スキマ時間に書きためて予約投稿」で毎日を保ったように、続く発信とは、気合いで続けるものではなく、負担が軽いから続くものです。喜多方市でヘッドマッサージを専門にするなんてんの木も、投稿のネタ切れに苦労していましたが、短い時間で投稿できるようになり、発信することが苦ではなくなったといいます。続けた結果、Googleマップでの表示回数は掲載前の約3.5倍になりました。
「書く時間が取れない」を解決する方法
発信すべき内容が分かっても、施術や調理や接客で手一杯の店にとって、毎回それを文章にし、複数の媒体に展開するのは、現実には大きな負担です。
もし「型は分かったが、書く時間が取れない」と感じたら、発信の作業をAIで効率化する方法もあります。まいぷれの店舗向けAIエージェント「まいぷれくん」は、お店が伝えたいことを渡すと記事の下書きにまとめ、まいぷれ・Googleマップ・Instagramへの展開を助けます。今回紹介した4つの型のような「何を書くか」の切り口も、やりとりの中から提案します。できあがった原稿は人の目でも確認します。
表現に制約のある業種の方は、「効果や効能を直接言えないお店は、何を発信すればいいのか」もご覧ください。